新型コロナウイルス感染症に罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を捧げます。また、医療従事者の方々をはじめ、感染拡大防止にご尽力されている多くの皆様に深く敬意を表します。
2020年第3四半期(3カ月)の業績および2020年通期の業績予想について
本日発表しました通り、2020年第3四半期は、引き続き新型コロナウイルスの影響を受けたことから、売上高は745億円(前年比233億円減)、営業利益は31億円の赤字(前年比120億円減)となりました。(店舗減損48億円を除くビジネスベースでは黒字)
2020年第4四半期は3四半期ぶりに黒字を確保する見通しですが、通期では当期利益は150億円の最終赤字と予想しております。
今後のマーケット環境について
政府によるGo Toトラベル、Go To Eatキャンペーン等により、外出自粛緩和ムードが広がり、直近はロードサイド、都心店ともに回復傾向にあります。
ブランド別では、La Ohana、から好し、むさしの森珈琲、魚屋路等、外食目的が明確なブランドの売上回復が強く、今後もその傾向は続くと予想しています。また、在宅勤務や大学授業のリモート普及等により消費者のWithコロナのライフスタイルが定着しつつあり、昼間時間帯へのライフスタイルのシフトは確実に進んでいくと考えています。またデリバリー・テイクアウトの需要は引き続き拡大しており、今後も増加するとみています。
2021年以降の業績回復を見据えた取り組み
新型コロナウイルスの影響は、Go To キャンペーンによる外出緩和ムードもあるものの決して油断できる感染状況ではないと考えています。従いまして「Withコロナ環境(ライフスタイルの変化)における経営戦略」を迅速に環境に合わせて実行していくことが重要と考えています。
既存店売上は2021年末にはWithコロナ環境の中で2019年対比85%にまで回復するとみています。 2020年に取り組んできたさまざまなコスト削減を引き続き継続し、またこれまで実施してきたIT投資や営業時間短縮等による生産性向上により、2021年の営業利益は100億円前後を見通しています。
Withコロナ環境でのレストランビジネスは、今まで以上に“外食の楽しみ”“おいしさ”を追求し各店舗で表現されなければなりません。Withコロナにおいては消費者の皆様から「当社が提供できる価値は何か」が問われると考えており、以下に述べる施策を順次実行し、売上拡大に向けた取り組みを加速してまいります。
当社は現在約1,900店でデリバリーサービスを実施しており、約2,800店でテイクアウトサービスを行っています。
コロナ禍においてそのニーズと認知度は飛躍的に高まり、売上の前年比も飛躍的に伸びました。今後もデリバリー・テイクアウト需要は拡大すると予想しております。当社の全国に立地する3,000店舗をデリバリー・テイクアウトの拠点として最大限活用する事で新たなデリバリーニーズの開拓と受注件数増を企図した価格設定を行います。
当社は20以上の多様な業態を有しており、これまで商圏の変化に対応した業態を開発し転換する事でお客様のニーズにお応えしてまいりました。
Withコロナ環境においては、食べたいものが明確で外食の楽しみを享受できる業態にお客様からのニーズが高まっており、そうしたトレンドに迅速かつ柔軟に対応していまいります。
Withコロナに対応するためには、当社の経営資源の活用に取り組む必要があると考えています。全国約3,200の店舗(販売拠点)、スケールメリットを活かした食材調達、自社のセントラルキッチンでの生産、自社物流システムによる配送と、独自のサプライチェーンという経営資源を最大限に活かしてまいります。
①既存店を最大活用した戦術
②通販事業の開始
お客様の厳しい選択眼に応えるため、1店1店の運営品質を向上させ、お客様の満足度を高めるための組織体制を強化します。
厳しい局面を乗り越えるため、コスト削減、原価低減、設備投資の見直しを行い、筋肉質な経営体制を構築します。
新型コロナウイルスの感染拡大は今後も続くとみております。引き続き政府および専門機関のガイドラインに従い、お客様、従業員の安全を第一に考え、「店内外のコロナ感染予防策」を継続し、必要な投資を行ってまいります。
当社としましては、先行きが不透明な状況のなか、上記に述べました施策を着実に実行してまいる所存です。
ステークホルダーの皆様におかれましては、今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2020年11月12日
株式会社すかいらーくホールディングス
代表取締役会長兼社長 谷 真