2018年すかいらーくグループ経営方針について

企業価値向上のために

 

株主総会を終えて

2018329日に開催いたしました第7期定時株主総会では、前年を大きく上回る約1,800名の株主様にご出席いただきました。総会の議事は滞りなく進行し、各議案は承認可決いただきました。これもひとえに日頃の株主の皆様からのご支援の賜物であり、厚く御礼申し上げます。
総会でご承認をいただいた結果、計8名の取締役、計3名の監査役の体制となりました。取締役8名のうち、半数の4名が社外取締役(うち3名が独立社外取締役)であり、コーポレート・ガバナンスの観点からもバランスが取れた構成であると思います。ガバナンスの強化については、今後も引き続き取り組んでまいります。
株主総会を終え、ここで改めて2017年の業績総括と2018年の経営方針について、株主総会でお伝えした内容を中心に以下に述べてまいります。

2017年業績概要


2017年の売上高は、前年比1.4%増の3,594億円となり約49億円の増収となりました。既存店売上高前年比は100%を達成し、また、2017年に実施した97店の新規出店の売上増が増収につながりました。一方で、営業利益は前年比10.1%減の281億円、当期利益は前年比7.1%減の169億円となりました。
減益については、経営陣一同真摯に受け止め、お客様にご支持いただける店舗を運営し、持続的な成長を実現していくため経営により一層邁進いたします。
2017年の減益要因としては、①第4四半期の売上低下による利益減、②人件費(パート・アルバイト)単価の上昇、③株主優待制度拡充による引当コスト増加、の3点が挙げられます。

①第4四半期の売上低下による利益の減少
2017年は通期で既存店売上高前年比100%を達成しましたが、第4四半期3か月間の既存店売上高前年比はマイナス2.6%でした。
2017年第4四半期、店舗の運営品質向上を目的として、「割引クーポン数の削減」、「メニュー改定頻度の見直し」、「食器数の削減」を実施いたしました。特に、売上に大きく影響する割引クーポンを約300種類から10分の1にまで大幅に削減した結果、第4四半期3か月間の既存店前年比がマイナスになり、減益の一因となりましたが、これらの施策は店舗運営を安定させ、従業員の定着率を高め、習熟度を上げることにより、お客様満足度の向上を図るために必要な措置であると考えております。当社が2018年から新たなスタートを切るにあたって、まずはしっかりと店舗の運営品質を高めることが重要と判断し実施いたしました。
なお、割引クーポンの発行数については2018年2月まで削減しておりましたが、店舗運営への影響を十分に考慮した上で、2018年3月には前年同月と同水準に戻しており、結果として、3月度の既存店前年比はプラス2.5%に回復しております。
 
②人件費(パート・アルバイト)単価の上昇
最低賃金の上昇や採用コストの上昇により人件費は年々増加しておりますが、当社においては、計画通り人財を確保できております。現在推進しているマニュアルの整備や職場環境の整備、店舗従業員の負担軽減による定着率の向上等により、人件費上昇へ対応してまいります。
 
③株主優待制度拡充による引当コスト増加
当社は、株主の皆様に幅広く当社店舗をご利用いただき、当社への理解をさらに深めていただくことを目的として、年2回保有株式数に応じてお食事券を差し上げております。この株主の皆様への優待制度を2017年3倍に拡充したことにより、会計上の引当コストが増加しました。優待制度により、たいへん多くの株主様がすかいらーくグループの店舗にご来店いただき、お食事を楽しんでいただいておりますことを、たいへん喜ばしく思っております。
 
なお、2017年は減益となりましたが、営業利益約281億円は依然として業界トップであり、営業利益率約8%・ROE約14%はいずれも業界トップクラスの水準です。

当社の強みについて


当社の強みは、①圧倒的な事業スケール、②多様なブランド展開、③垂直統合プラットフォーム、④テーブルサービス人財集団、の4つの経営資源を有していること、そして、外部環境変化に対して迅速かつ適切に対応する経営スタイルです。

① 圧倒的な事業スケール
当社は全都道府県に店舗のあるガストをはじめ、ジョナサン、バーミヤン等、全国約3,000店を直営で運営しています。この他に類を見ない事業スケールのメリットを活かし、良い食材を適切な価格で仕入れ、安くておいしい料理を安定的にお客様にご提供しています。
 
② 多様なブランド展開
和食・洋食・中華など多様なブランドを展開し、年間約4億人のお客様にご来店いただいております。最近では計8つの新業態を開発・投入し、専門店業態への志向の高まりに中・高単価帯と低単価帯の双方で対応する業態ラインナップを揃えております。さまざまなニーズに対応するブランドポートフォリオにより、マーケットのニーズに合った新規出店や業態転換が可能になり、収益に大きく貢献しています。
 
③ 垂直統合プラットフォーム
当社は、商品開発から食材の調達、製造、物流、料理の提供まで一気通貫して行うサプライチェーンの仕組みを持っております。全国に10カ所ある自社のセントラルキッチンで食材を加工し、自社の物流網により全国の店舗へ新鮮な食材を毎日配送するというシステムは、全国のさまざまな地域への出店を可能にするなど多くのメリットにつながっています。
 
④ テーブルサービス人財集団
当社グループの店舗では、約10万人の従業員が日々サービスを提供しています。全従業員がテーブルサービスレストランのエキスパートであり、統一された人事制度のもと教育を受けています。そのため、出店や業態転換に伴う従業員の配置も迅速かつ柔軟に行うことができます。
 
すかいらーくグループの強み

以上4つの経営資源(ビジネスインフラ)に基づいて、外部環境の変化を敏感に読み取り、具体的な施策を迅速に実施する経営スタイルが当社の特徴です。
店舗の立地する地域の人口動態変化へ対応するための業態転換は直近5年間で約300店を実施、消費者のライフスタイルの変化に対応する店舗の内外装刷新(リモデル)は5年間で約1,500店実施し、今後も継続してまいります。また、年間10%近い売上成長を続ける宅配ビジネスは、現在実験を実施している多業態エリア配送システムの構築、IT化の推進などを通じ、引き続きさらなる成長を実現します。

2018年経営方針


現在、世界の経済環境の変化は大きく、その速度もますます加速しています。日本もまた、時代の節目を迎え、経済環境や人口動態、消費動向も変化しており、外食を取り巻く環境も厳しさが増していくと考えられます。2019年には消費増税が予定されておりますが、外食は軽減税率の適用対象外となることが予想され、また、2020年には東京五輪・パラリンピックが大きな経済効果をもたらすことが見込まれますが、その後の市場は先行き不透明といえます。
2018年は、今後の成長を左右するであろう大変重要な2018年~2020年までの期間の1年目にあたります。
その重要な2018年の経営方針について、述べてまいります。

1. 安定的に増収増益を達成
2018年以降も引き続き増収増益達成を基本方針といたします。当社の営業利益率は約8%という、フードサービス業界の中でも高い水準です。2018年は増収増益を堅持した上で、店舗や従業員への投資を行い、地域の皆様に喜ばれる店づくりを目指してまいります。
 
2. 一店一店の運営品質を上げ、顧客満足度向上を図る
店舗の運営品質を上げることこそが、お客様の満足度向上につながり、結果として当社が成長できると考えております。これまでになく厳しさを増す外食市場において引き続き競争優位性を維持するためには、ITの活用による店舗生産性の向上が欠かせません。当社は2018年下期に店舗の基幹システムを7年ぶりに全面刷新します。お客様のご注文をお受けする際の端末の改善や、店舗における発注・在庫管理システムの自動化、そして多様化するお支払い手段への対応など、お客様の利便性向上と従業員の生産性向上の両立を図ります。
 
3. 従業員の働く環境を整え、ワークライフバランスを向上する
昨今の厳しい外部環境の中で、今後もお客様に支持されるレストランであり続けるために、当社にとって大切な従業員への投資を進めてまいります。当社は2016年に子育てサポート企業として厚生労働省の「くるみんマーク」を取得、2017年に仕事と介護の両立を推進する企業として同省の「トモニンマーク」を取得しました。すでに実施している65歳定年延長、70歳雇用延長、地域限定雇用の拡大、深夜営業時間短縮に加え、店舗オペレーション動画マニュアルの導入を推し進めており、引き続き従業員の職場環境を整備し、ワークライフバランスの向上を図ります。
 
以上を踏まえ、2018年は売上高3,738億円(成長率4.0%)、営業利益287億円(同2.1%)、当期利益172億円(同1.6%)と安定した増収増益を計画しております。株主還元は、調整後当期利益の40%を目標に配当を行うという方針を継続し、一株あたり年間38円の配当を予想しております。また、株主優待についても現行の制度を引き続き実施します。

財務方針について


2017年12月末日現在、約1,461億円の「のれん」が貸借対照表の資産の部に計上されています。この「のれん」は一般的にあるような、他社を買収したことにより発生したものではなく、ベインキャピタルが当社の株主になったことで発生しました。当社は国際会計基準(IFRS)を採用しているため、この「のれん」は償却されずに資産の部に残り、定期的に減損兆候判定と減損テストを行っております。この「のれん」の減損リスクを心配される方もいらっしゃいますが、当社事業の有するキャッシュフローは「のれん」に対しても非常に強固であり、各業態に按分されている「のれん」は各業態の収益が堅調であることから、多額の減損リスクは極めて低いと考えています。

2017年12月末現在の借入金は約1,292億円であり、大半は2011年にベインキャピタルが当社の株主になった際に発生したLBOローンになります。当社の有する強固なキャッシュフロー創出力をベースに、このLBOローンの返済を着実に行っていくことに加え、新規出店の加速やより良い店舗づくりのための成長投資資金の調達を目的とした、新たな借入も機動的に行っております。
同じく2017年12月末時点の純有利子負債残高(長期借入金から現預金残高を差し引いたもの)を調整後EBITDAで除した倍率は約2.6倍程度です。現在の低金利の環境下では、借入金による資金調達コストは株主様へのリターンよりも低い水準であることもあり、当社の借入金残高の水準は健全なレベルであると考えております。

資本の増加に伴い、2017年12月末日現在の自己資本比率は39.3%となり、前年対比で3.4%の増加になりました。また、ROEは14.1%となり、引き続き高水準を維持しております。

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すべてはお客様の笑顔のために


私たちの経営理念は『価値ある豊かさの創造』です。「ひとりでも多くのお客様に 安くておいしい料理を 気持ちのよいサービスで 清潔な店舗で味わっていただく」という私たちが果たすべき役割(ミッション)を実現し、お客様の生活がより豊かになり、より快適に過ごしていただけるような店舗づくりを目指してまいります。

今後とも引き続きのご支援をお願い申し上げます。

2018年4月吉日
株式会社すかいらーく 
代表取締役会長兼社長 谷 真


2018年すかいらーくグループ経営方針について(2018年1月発行)