2018年すかいらーくグループ経営方針について

新規出店状況と既存店強化について
2018年8月9日、当社は2018年中間決算を発表いたしました。新規出店や既存店強化等、期初に発表した施策を計画通り実施しており、年間利益計画の達成に向けて引き続き取り組んでまいります。株主還元につきましては、予定通り1株当たりの中間配当金を16円とさせていただきます。

また、このたび当社株式は、株式会社日本取引所グループ/株式会社東京証券取引所および株式会社日本経済新聞社が共同で算出している「JPX日経インデックス400」の構成銘柄として選定されました。これからも資本効率および投資家の皆様を意識した経営を行い、企業価値の最大化に努めてまいります。

新規出店状況


当社は2017年以降出店数を拡大するという成長戦略を掲げ、多様化するニーズに応えるべく、これまでに開発してきた新業態を中心に出店を加速してまいりました。2017年は年間97店の新規出店を実施し、2018年も6月までの半年間で56店の新規出店を行っており、年間計画である約100店の新規出店に向け、順調に進捗しています。以下に、業態ごとの状況を述べてまいります。

①しゃぶ葉
しゃぶしゃぶ専門店の「しゃぶ葉」は、2017年に31店の新規出店を実施し、順調に利益貢献しています。今年1月~6月の累計出店数は11店となり、これらは来期以降の利益に貢献すると考えております。すかいらーくグループの購買力を活かした良質な肉を始め、30種類以上の野菜やデザートを自由に選べる豊富なメニューをブッフェスタイルで楽しめるしゃぶ葉は、ファミリーはもちろん学生・若年層のお客様から大好評をいただいており、一部都心店舗では特に多くの若年層のお客様にご来店いただいています。

②から好し
昨年10月に1号店をオープンしたから揚げ専門店「から好し」は、2018年の累計出店数が計21店となり、2017年にオープンした4店舗および他の業態からの業態転換と合わせ、6月末日現在の店舗数は33店に拡大しています。から好しは、収益性も高く、極めて優秀な業態に成長しています。4月には日本唐揚協会の「第9回からあげグランプリ」金賞を受賞し、味に対するお客様からの支持も獲得しつつあります。最近では、手羽先の販売実験やタレの改善にも取り組んでおり、引き続きお客様に喜んでいただける業態への日々改善を続けています。

③ラ・オハナ
昨年オープンしたハワイアン業態「ラ・オハナ」は、1号店の横浜本牧店に続き、2018年3月に権太坂店を業態転換によりオープンしました。ここ数年、お食事だけでなく、店舗で過ごす楽しい時間や居心地の良い空間を重視するお客様が増えています。ラ・オハナは、お子様から高齢の方まで日本人にとって親しみやすい人気のリゾート地ハワイを身近に体験していただけるブランドとして、家族との団らんや、友人とのコミュニケーション、一人で過ごす癒しの時間など、シーンに応じた空間を提供する業態として確立したと考えております。

④むさしの森珈琲
カフェ業態「むさしの森珈琲」は、2015年に第1号店をオープンして以来順調に店舗数を拡大しています。2018年の出店数は4店、2018年6月末の店舗数は21店となり、業態としての収益構造も確立しております。「高原リゾートの珈琲店」をコンセプトにした広々とした店内に、座り心地にこだわったソファ椅子やマガジンラックを設置し、長時間ゆったりくつろげる空間をご提供するむさしの森珈琲は、お客様からご好評をいただいております。今後より多くのお客様にご利用いただけるよう出店機会を探ってまいります。

当社の強みは、圧倒的な事業スケールを持ち、和食・洋食・中華・イタリアンなど複数のカテゴリーにおいて、低・中価格帯をカバーする多様な業態を展開していることです。刻々と変化する外部環境やお客様のニーズにお応えし、市場における自社の業態構成の最適化を目指し、今後も年間100店舗規模の新規出店を継続してまいります。

既存店の強化について


現在外食業界を取り巻く環境は依然厳しい状況にあります。厚生労働省が6月に発表した4月の毎月勤労統計によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月と比べ0.2%減少しました。実質賃金の低下、ガソリン・食料品を中心とした物価上昇の加速に伴い、消費者マインドが悪化しています。特に、ヤングファミリー層の家計に影響が大きく、外食の機会も減っていると考えられます。

今後もお客様に支持されるレストランであり続けるために、当社は年初に掲げた経営方針である「一店一店の運営品質を上げ、顧客満足度向上を図る」ことを着実に進めております。これまで私たちが常に掲げてきた基本方針である増収増益を堅持した上で、お客様にご満足いただける店舗と、当社にとって大切な従業員への投資を引き続き進めてまいります。

①店舗への投資
お客様にご支持いただける店舗づくりのためには、お客様に最高の店舗体験をしていただくことが不可欠です。2018年は、200店規模でリモデル(時代に即したデザインへの刷新)を実施することに加え、経年劣化がみられる内外装の修繕や、植栽の整備、看板等の視認性の改善、駐車場の利便性の向上等、より踏み込んだ投資や支出を行っています。


ガスト高幡不動店。駐車場の白線を引き直し、車止めブロックを設置しました。



ガスト高幡不動店。店舗前の植栽を撤去し、お客様の店内からの視野と視認性を改善。

さらに、主要業態のガストでは、需要の多い店舗にはコンセントを設置し、Wi-Fi環境も整備するなど、レストランとしての食事の提供にとどまらずさまざまな利用動機に対応できるよう取り組んでおります。

②既存店強化策
ピザの全面リニューアル
ガストの人気メニューであるピザを、専門店に引けを取らない商品にすべく数年を費やし研究を重ね、今年4月からガスト全店に新しいピザを投入いたしました。前橋工場のピザラインを一新するために約8億円を投資し、ピザ職人が手でこねたり、生地を伸ばしたりする工程も機械で再現できるようになりました。もっちりとした食感の本格ナポリピザを、低価格で提供するガストのピザは、お客様から好評をいただき、販売数も伸びています。今後、地方におけるピザ宅配モデルを確立すべく実験を行っています。

ステーキガストの業態改善
ステーキガストは2009年に神奈川県大和市に1号店をオープンし、2018年6月末現在138店舗を展開しております。サラダバー付きのステーキをお手頃価格で提供するステーキガストは、ファミリーを中心に幅広いお客様にご支持をいただいてまいりました。しかし、昨今の肉ブームでステーキ専門店の数も増えており、消費者のニーズに合った新しい価値観が求められています。お客様にこれからもご支持いただけるブランドであり続けるためには、ハード面からメニュー、サービスに至るまで、常に進化していかなければなりません。店舗の外観は、これまでのアメリカ・ウェスタン調のデザインから、ネオンサインを看板が目を引くスタイリッシュな店舗へ改装を開始しました。

ステーキガストのリモデルは、小平上水本町店(東京都)、刈谷今川町店(愛知県)、逗子店(神奈川県)、福岡新宮店(福岡県)で実施しており、いずれもお客様から好評をいただいています。来年以降のリモデル実施のための改革実験を進めてまいります。


リモデルしたステーキガスト刈谷今川町店

③従業員への投資
当社の持続的な成長を支える最も重要な経営資源は、人財です。現在当社グループの約3,000店舗で日々約10万人の従業員が業務に従事しています。テーブルサービスレストランという事業の性質上、従業員は衛生管理や接客、調理など多岐にわたる業務を習得し、お客様に品質の高いサービスを提供する必要があります。そのため、動画を用いたトレーニングツール等を活用し、従業員にとって覚えやすく、また楽しく業務を行うことができるよう教育への投資を続けています。

2018年下期には店舗の基幹システムを7年ぶりに全面刷新します。お客様のご注文をお受けする際のシステムの改善や、店舗における発注・在庫管理システムの自動化、そして多様化するお支払い手段への対応などを充実させ、店舗運営力の向上を通じ、お客様へのサービス向上を実現したいと考えております。

財務方針について


2018年3月末日現在、約1,461億円の「のれん」が貸借対照表の資産の部に計上されています。この「のれん」は一般的にあるような、他社を買収したことにより発生したものではなく、ベインキャピタルが当社の株主になったことで発生しました。当社は国際会計基準(IFRS)を採用しているため、この「のれん」は償却されずに資産の部に残り、定期的に減損兆候判定と減損テストを行っております。この「のれん」の減損リスクを心配される方もいらっしゃいますが、当社事業の有するキャッシュフローは「のれん」に対しても非常に強固であり、各業態に按分されている「のれん」は各業態の収益が堅調であることから、多額の減損リスクは極めて低いと考えています。

2018年3月末現在の借入金は約1,296億円であり、大半は2011年にベインキャピタルが当社の株主になった際に発生したLBOローンになります。当社の有する強固なキャッシュフロー創出力をベースに、このLBOローンの返済を着実に行っていくことに加え、新規出店の加速やより良い店舗づくりのための成長投資資金の調達を目的とした、新たな借入も機動的に行っております。
同じく2018年3月末時点の純有利子負債残高(長期借入金から現預金残高を差し引いたもの)を調整後EBITDAで除した倍率は約2.7倍程度です。現在の低金利の環境下では、借入金による資金調達コストは株主様へのリターンよりも低い水準であることもあり、当社の借入金残高の水準は健全なレベルであると考えております。
 

すべてはお客様の笑顔のために

私たちの経営理念は『価値ある豊かさの創造』です。「ひとりでも多くのお客様に 安くておいしい料理を 気持ちのよいサービスで 清潔な店舗で味わっていただく」という私たちが果たすべき役割(ミッション)を実現し、お客様の生活がより豊かになり、より快適に過ごしていただけるような店舗づくりを目指してまいります。


今後とも引き続きのご支援をお願い申し上げます。

2018年8月吉日
株式会社すかいらーくホールディングス 
代表取締役会長兼社長 谷 真


2018年すかいらーくグループ経営方針について(2018年4月発行)
2018年すかいらーくグループ経営方針について(2018年1月発行)