2018年すかいらーくグループ経営方針について

持続的な成長のために

2018年、私たちすかいらーくグループは食の発展に貢献するエクセレント・カンパニーを目指し、新たに歩み始めます。

2006年にMBOを実施して野村プリンシパル・ファイナンスとともに経営再建に取り組み、2011年以降はベインキャピタルの出資を受け、さらなる改革を進めてまいりましたが、2017年11月、ベインキャピタルが当社の全株式を売却されました。これにより、11年間にわたるファンド株主のサポートは終了することになりました。

お客様、株主・投資家の皆様、取引先の皆様、金融機関の皆様をはじめステークホルダーの皆様に、これまでのご支援、ご愛顧を心より感謝申し上げます。

今、世界の経済環境の変化は大きく、その速度もますます加速しています。日本もまた、時代の節目を迎え、経済環境や人口動態、消費動向も変化しており、外食を取り巻く環境も厳しさが増していくと考えられます。2019年には消費増税が予定されておりますが、外食は軽減税率の適用対象外となることが予想され、また、2020年には東京五輪・パラリンピックが大きな経済効果をもたらすことが見込まれますが、その後の市場は先行き不透明といえます。

このような状況の下、今後の成長を左右するであろうたいへん重要な2018年~2020年までの期間に、経営において取り組むべきテーマについて述べてまいります。

株式会社すかいらーく
代表取締役社長
谷 真

店舗と従業員に投資

2008年に私が社長に就任して以来、さまざまな改革で業績を回復させてまいりました。経営陣を組成し直し、経営体質を強化し、非常に強固な経営基盤を構築することができたといえます。結果として、2016年の売上高は3,545億円・営業利益は312億円と過去最高の業績を上げることができ、2016年の営業利益率は約9%と非常に高い水準にあります。

昨今の厳しい外部環境の中で、今後もお客様に支持されるレストランであり続けるためには、レストランとしての原点に戻り、店舗および従業員にしっかりと投資する必要があると考えております。これまで私たちが常に掲げてきた基本方針である増収増益を堅持した上で、お客様にご満足いただける店舗と、当社にとって大切な従業員への投資を進めてまいります。

お客様にご支持いただける店舗づくりのためには、お客様に最高の店舗体験をしていただくことが不可欠です。2018年は、200店規模でリモデル(時代に即したデザインへの刷新)を実施することに加え、修繕が必要な設備、食器、従業員のユニフォームなど、より踏み込んだ投資や支出を行います。一店一店の運営状況を改善することが、お客様の満足度につながり、結果として当社が成長していけると確信しています。

2017年~2019年に出店加速の計画を掲げた新規出店は、初年度95店に達し、2018年も約100店を見込んでおり、今後も毎年100店ペースで新規出店を続けます。また、宅配市場が拡大する中で、ルームサービス(宅配サービス)についてもこれまで以上に注力していきます。従来はガストを中心として実施してまいりましたが、当社の全国約3,000店の既存店舗という経営資源と、多業態を有する強みを最大限に活かすため、IT投資の実施や混合配送システムを構築することにより、さらに大きく成長する計画です。

IT投資による生産性の向上とプロモーション効率の向上

これまでになく競争が激しさを増す外食市場において引き続き競争優位性を維持するためには、ITの活用による店舗生産性の向上が欠かせません。当社は2018年下期に店舗の基幹システムを7年ぶりに全面刷新します。お客様のご注文をお受けする際のシステムの改善や、店舗における発注・在庫管理システムの自動化、そして多様化するお支払い手段への対応などを充実させて、お客様の利便性向上と従業員の生産性向上を図ります。

プロモーションにおいては、従来のチラシを主体としたアナログの販促に加えて、当社の強みである顧客データ分析能力とITデジタルプロモーションシステムを融合させ、一人ひとりのお客様に即した情報をお届けします。また、ガスト、ジョナサン、バーミヤン、しゃぶ葉といった個別ブランドごとのモバイルアプリを進化させ、マルチブランドでお使いいただける「すかいらーくアプリ」を第1四半期に投入するなど、より効率的で集客効果の高い施策を実施し、既存店売上高を成長させます。

財務方針について

2017年9月末現在の長期借入金は約1,290億円であり、大半は2011年にベインキャピタルが当社の株主になった際に発生したLBOローンになります。当社の有する強固なキャッシュフロー創出力をベースに、このLBOローンの返済を着実に行っていくことに加え、新規出店の加速やより良い店舗づくりのための成長投資資金の調達を目的とした、新たな借入も機動的に行っております。

同じく2017年9月末時点の純有利子負債残高(長期借入金から現預金残高を差し引いたもの)約1,162億円を調整後EBITDAで除した倍率は約2.5倍程度です。現在の低金利の環境下では、借入金による資金調達コストは株主様へのリターンよりも低い水準であることもあり、当社の借入金残高の水準は健全なレベルであると考えております。

借入金と同時に約1,400億円超の「のれん」が貸借対照表の資産の部に計上されています。この「のれん」は一般的にあるような、他社を買収したことにより発生したものではなく、借入金と同様、ベインキャピタルが当社の株主になったことで発生しました。当社は国際会計基準(IFRS)を採用しているため、この「のれん」は償却されずに資産の部に残り、定期的に減損兆候判定と減損テストを行っております。この「のれん」の減損リスクを心配される方もいらっしゃいますが、当社事業の有するキャッシュフローは「のれん」に対しても非常に強固であり、各業態に按分されている「のれん」は各業態の収益が堅調であることから、多額の減損リスクは極めて低いと考えています。

すべてはお客様の笑顔のために

私たちの経営理念は『価値ある豊かさの創造』です。
新しいスタートを切った今こそ、経営の原点に立ち戻り、「ひとりでも多くのお客様に、安くておいしい料理を、気持ちのよいサービスで、清潔な店舗で味わっていただく」という私たちが果たすべき役割(ミッション)を実現し、お客様の生活がより豊かになり、より快適に過ごしていただけるような店舗づくりを目指してまいります。

今後とも引き続きのご支援をお願いするとともに、皆様にとって素晴らしい一年になりますことをお祈りしております。
 

株式会社すかいらーく 代表取締役社長 谷 真